あんたなんて嫌いだ─孤独な獣人Ωは傲慢王子αに執愛される─【イラスト付き】【単行本書き下ろしSS付き】
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あんたなんて嫌いだ─孤独な獣人Ωは傲慢王子αに執愛される─【イラスト付き】【単行本書き下ろしSS付き】

/木村タケトキ

嫌いではありません。

ネタバレ
2025年8月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 攻めが、受けに自分を憎んで、自分から離れていって欲しいが為にした行いが酷過ぎました。
その後謝罪され関係修復を言われても…。

ただ、攻めの生い立ちも充分酷く、その酷い扱いの中で経験した、自分が大切にする者は自分を傷つける為だけに取り上げられる(消される)、という強迫観念。
自分からは運命の番から離れられないから、相手に嫌ってもらって、憎んでもらって、自分から離れていって欲しいという、強迫観念から起こした彼の行動や思いも理解でき無くはないのですが、そういった苦悩や、躊躇いや、自己嫌悪、心の葛藤などを序盤から書かれていたら、もう少しすんなり許せたのかもしれません。
不憫受けにしても受けを傷付け過ぎていて、攻めが読者の反感を買ってしまってますね。

受けが攻めに対して感情をぶつけるシーンは、胸が抉られます。
怒りの根底には悲しみがあるのですが、そのまま受けには怪我と悲しみで、今世は終了して欲しいと思ってしまいました。
そして、攻めには激しい後悔と番を亡くした苦しみを存分に味わって頂いてから、受けの後を追って今世の幕を閉じる。その後、二人とも生まれ変わって、攻めが過去の記憶から猛省し溺愛執着する、とかだったら素直に受け入れられたかな、と思いました。

衣食住が足りて、周りに信頼できる人や大切な人が出来ると、思考も感情も変化していくのが当たり前ですので、そんな受けの葛藤や心の変化もうまく書かれていて、ハピエンになって良かったのですが、身体が震えるほど嫌っている相手を受け入れられるのか?無いわ、となる方が多いのも頷けます。

それ以外にも多少気になるところはありましたが、私は面白かったです。

それと、お兄さんと弟の関係修復は、もう少し読みたかったですね。
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