つきましては、さようなら。そして、聖女は逃げることにした。【分冊版】
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つきましては、さようなら。そして、聖女は逃げることにした。【分冊版】

あづち諒

すごく丁寧に描かれているが……

ネタバレ
2025年9月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『国のしきたりで、条件的に聖女と認定され王子と婚約していた主人公が、突然召喚された日本人の少女に聖女の座を奪われた。主人公は偽聖女のレッテルを貼られ、詐欺師扱いされて国民の嫌われ者になり、王太子は婚約破棄してその日本人の少女と婚約しなおし、主人公に王妃教育で得た知識を少女に全て教えろという。主人公には味方が誰もおらず絶望した。』

よくある婚約破棄される令嬢の物語の、一番読んでいてフラストレーションがたまる物語の開幕のお約束の流れを、たっぷり7話使って丁寧にドラマティックに描いています。

このパターンの話は『破棄してきたクソ男を何かしらで大後悔させてスカッとしたい欲を満たしたい』と読み進めるものですが、7話までまったく希望が見えないのでテンポが遅すぎて読んでいて辛いかもしれないです。
同じような話でもっとサクサク進む作品が大量にあるので。

でも、絵画みたいな独特の絵柄と抒情的な描き方は美しく、物語に引き込まれるので、頑張って耐えられる人にはおすすめします。
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