典型的な政略結婚をした俺のその後。
」のレビュー

典型的な政略結婚をした俺のその後。

みなみゆうき/aio

途中までは良かった

ネタバレ
2025年9月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 決して典型的ではなさそうな設定に興味を惹かれ、途中までは続きが気になりながら一気に読みました。しかし伏線が回収され始めそれぞれの思惑が見えるようになった時点で、どの登場人物にもうんざりしほとんど残念な気持ちのまま読み終わりました。主人公の兄たち以外、誰も主人公の受けた凄惨たる所業に憤慨せず、本気で怒らず、悔しがらない。攻め含めて全ての人間が目先と身内のことしか考えず、本当に主人公のことを考えていたのは兄達だけのように思えます。

 主人公の口調が気になったと書いてる方も多くいましたが、私はそこまで気になりませんでした。ほとんど自我の抑圧された人格形成期から、平民と育つようになればそこは納得できます。自由で飄々とした最初の様子はすっかり鳴りを潜め、トラウマから身も心も崩す主人公は可哀想でしたが、最後までずっと"可哀想"なだけでそれ以上の印象はありません。

 攻めは主人公のどこを愛したのでしょうか。何度も読んだ訳ではないので見落としてるだけかもしれませんが、ただ健気で可哀想で、身体の具合が良かったから?愛するに至るまでの関わりがうまく読み解けませんでした。

 設定が良かっただけに残念です。それぞれのキャラクターの一貫した言動や、魅力的な側面などが見れればもう少し感情移入できたのかなと思います。
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