このレビューはネタバレを含みます▼
受け止めきれませんでした。というより、弟の件に対する主人公の心理があまりにチグハグに見えてしょうがなかったです。共依存状態にあった弟の最期の時に立ち合えず、それは攻めと一晩過ごしていたからですが、そんな相手と大した期間も空けず蟠りなしに幸せになれるものですか…？そもそも弟の健康状態が悪化してることを分かっていながら、主人公はなりふり構わず金稼ぎに走るわけでもなく…。自分一人の貧困生活で矜持から施しを断るなら分かりますが、貧しさからどんどん病状を悪化させている弟がいて、そしてその弟を失えば生きていけないとまで思い詰めている人が、チップを断るのもよく分かりません。受けの弟に対する執着が度々描写されるわりには、明らかに稼ぎやすい身売りとかはしないんだな〜、とか思ってしまいました(そうした方が良かったとは思いませんが)。涙腺ユルユルなのでまんまと号泣はしましたが、弟の死から作品内でも読者としても時間が短過ぎて、最後の二人のハッピーエンド感はちょっと受け入れられませんでした。
後は、BL小説で指摘するのは野暮かもしれませんが、国籍が日本ならこの兄弟は定期的に滞在許可証を更新しないといけません。永住権にしろ、帰化してないならパスポートと紐づいてるはずですし、この年代の子なら渡英して7年の間にパスポートの更新も行わなければいけなかったはず…。不法滞在状態なんでしょうか。渡英の際の手続きをきちんとしていれば領事館も把握しているでしょうし、未成年者が外国で音信不通になったら大問題になりそうだなー、とかそんなことも気になりました。
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