深い青が広がっている 合冊版
」のレビュー

深い青が広がっている 合冊版

汐夏生流

この世で本当にありそうな…一読の価値あり

ネタバレ
2025年9月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 高校のクラスメイト。
学校での素行が悪い事を理由に、一部の教師から暴力を受け、自宅では母親からのネグレクトや母親の愛人からの暴力を受けながらも、誰にも言えないまま普通を装って学校生活を送る彼。
少しずつ彼と関わることで惹かれていく主人公。
あることがきっかけに、彼の知らなかった性の一面を知り、戸惑いのあまり距離を置いてしまっていた最中に事件が起こる。
実は主人公が幼少期に同じアパートで幾度か外に放り出されているのを見かけ、一度だけお菓子を一緒に食べたが、後日、階段の所でボロボロの状態で立っているところを大人に連れて行かれ、助けられたかもしれないのに見ぬふりをしてしまった子がいて、それを思い出しては後悔の念を抱いていたその子こそが彼であったと知る。

主人公自らの友から恋愛対象となったクラスメイトを助けたい思いと助けられなかった後悔。

一人の少年が幼少期からネグレクトや暴力、性の売買という身勝手な大人の対象であった中、事件後に「助けてと言えなかった」と最後に裁判官に吐露した言葉がとても痛く刺さった…

身勝手な大人が如実に増えている昨今。
色々と考えさせられた作品です。
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