このレビューはネタバレを含みます▼
この絵が好きな方なら、ぜひご一読いただきたいです!
絵が美しく、ストーリーも美しく。ところどころユーモアもありながら、胸がキュッとなる名作です。主人公の優弥君はいつも自分の意思より相手の気持ちばかり尊重して生きていて、どんどん疲労と虚無感が募ります。見ていて悲しく切ないのですが、羊のジオとの出会いにより、運命が変化していきます。後半ジオが優弥を愛してしまって、彼を救うために大きな犠牲を払います。ほんの少しだけ、彼と時間を共有するために。そこからはもう悲しい結末しかありえないのでつらいのですが、犠牲と引き換えに過ごす2人の時間は本当に美しくて楽しそうです。優弥くんはジオが大きな犠牲を払ったことも知らず、幸せにあっという間に生涯を閉じていきます。私はここでもう号泣です。毎日2人が座るベンチの後ろからの様子が描かれているのですが、最初は黒髪だった主人公の髪が白くなり、次のコマでは同じ構図のままジオがひとりぼっち。
ジオは若いまま。。こんな悲しい寂しいことあるかな。。もっと悲しいのはジオはちゃんとわかっててそれを選んだこと。。
「自分が悲しい」とか「自分がさびしい」とかはまったく問題じゃないんだね。主人公が笑顔で生涯を過ごせることしか考えていない。。私も自分の身近な人たちを大切にしようと思いました。