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高野苺

心に積もる作品

ネタバレ
2025年9月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ いつか読みたいと思っていた作品でした。この度、読む機会を下さったシーモア様ありがとうございます。
人はどこかで、あの日あの時こうしていたら...あの日の朝もっと声をかけていたら...いろんな悔やみの中で次の日また次の日と自分のその日々を生きて行かなくてはいけなくて。私もパラレルワールド、巻戻したい時間があります。どうしても伝えたい言葉があっても二度と伝えられない.....。
-----この作品では未来から届いた手紙により友達が仲間が過去の悲しい出来事を変えようと心から願い、友達の翔を救おうと自分の今の幸せを捨ててもそれを願った須和くん、そして生きようと前を向く事が出来た翔。ヒロインの菜穂もアズや貴子も本当にこの翔の仲間達が愛しく感じました。個人的にはハギタくんがイチバン好きキャラでしたよ。
こんな友達仲間がいる翔は幸せ者だったのに....でも転校したあの日の選択を間違えてしまった....間違えたのか...は事が起こらないとわからない。彼の心に底に宿る後悔懺悔と罪悪感。あの日約束通りに家に帰っていたら....でも須和くん達に誘われた事は翔には嬉しい事だったもんな。大切な人との突然のお別れはそれほどまでに喪失感が大きい大きすぎる....年月が経っても、忘れる日は来ないのです。
須和は未来を知らない菜穂に、現在を教えないし、現在の世界を手紙には書かせない。須和の友を失った思いと翔がやりたかった事を菜穂にしていた事とか...切なかった。...別世界の須和に懐いている子供、須和とは他人っぽい 翔の人生が変わった最終巻。
翔には生きて欲しかったからこのラストで納得なんだけど、ただひとつだけ最初の現在で須和に抱かれた菜穂似のあの子は....いない世界になってしまったのか?---翔が生きる別の世界がもうひとつあるのか?ちょっとだけ理解不足ですワタシ。
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