便利屋アズマは星を数えない
」のレビュー

便利屋アズマは星を数えない

一樹らい

キャラの深堀と関係値の進め方が神

2025年9月29日
明るく社交的なノンケの東とゲイである自分を自罰的に思ってる柊月くんというありふれた大学生の日常の世界に便利屋という少し変わった設定を入れただけでなく、唯一無二のキャラクターを作り上げているストーリー運びとキャラの深堀りが凄い!

よくあるパターンだと思春期にセクシャリティの事で傷を負って自暴自棄になったら周りに警戒心を持って攻撃的になったり人を寄せ付けずツンケンしたキャラになりがちですが、柊月くんは思春期に傷つき自分を愛してあげられないながらも人好きで機転がきいて商魂たくましい所がある。
東くんもただのお人好しかと思えば重たいものを背負って拗らせていて、でもだからこそ便利屋をやりたいという気持ちが理解できる。

テンプレには当てはまらないひと味もふた味も違う二人がその人間性に惹かれ合い、優しい恋をしてゆくストーリー。
便利屋を通して見えてくる二人の性格や可愛さや葛藤や感情揺さぶられる様はスルメです。
しっかりとだが自然に深堀されていくのでリアルにいそう、と思える魅力的なキャラ。

東くんも柊月くんも人間らしく一筋縄ではいかない悩みを抱えているのでそんな大きな障害物を乗り越えなきゃならないのでなかなかくっつきませんが、2人とも一生懸命乗り越えようと進んで成長していて、だからこそ味わい深いストーリーになっています。

私はハッピーエンドの前にとことん辛くて苦しい気持ちを味わってでも心強く前を向いて立ち上がる受けが好きなので(多分柊月くんが受け、ですよね??)よりこの話はヘキに刺さりました。

物語は怒涛の展開ながらも2人の心情の移り変わりはじっくり描かれているので、2巻時点でまだ付き合っていませんが、2人とも幸せになってくれ〜〜〜!!と心の底から応援してます。
2人とも性格が良くて素晴らしいキャラだし話の展開もかなり練られていて続きが待ち遠しい。
まだまだ山も谷もたくさんありそうなので今後も楽しみです。
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