鶴の怪はうつけ犬に愛でられる
」のレビュー

鶴の怪はうつけ犬に愛でられる

金大吉珠/きんだいきちたま

可哀想可愛いが報われたのは、攻めだろ!

ネタバレ
2025年10月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 日本神話や古い怪談みたいな語り口で始まり、妖の世界を滔々と語って、強大な妖のお頭から生まれた鶴の妖がどれだけ美しいかを告げる。
おお?なんだこれは読者を選ぶ類の話かと読み進めていくと、少し古めかしい語り口調で、イチカなる世にも美しい鶴の怪が、実におバカで残念な子だと初っ端からネタばらしされて。
そう、このお話「受けがおバカさん」でないと全く成立しない類の物語。おバカさん故に、パパやママや許嫁を振り回して、結果的に自分の首を絞める。賢くなくても、並の出来であったらしないことをしてのける。
ウケ可愛さに振り回される事すら喜んでいた犬気質の犬の妖、ヨギリは……まぁ懐が深い攻め。
最後の最後はふかーい懐に、おバカな受けを大事にしまって、すっかり毒気が抜けてしまった罵倒をやっぱり「イチカは可愛いなぁ」としっぽをふりふり受け止める。
濃厚なエロシーンや少し血なまぐさい描写、それとまあどんどん漏れる色々な水分に、エログロ風味を想像してしまうかもしれないけれど、ご心配なく。
好いたもの同士の、おバカな意地の張り合い見栄の張り合いからの、両想いハピエンです。
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