雨降りvega
」のレビュー

雨降りvega

凪良ゆう/麻々原絵里依

名作

ネタバレ
2025年10月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読み終わった後、彼らのこの先の物語をもうこれ以上知り得ないのかと思うと無性に切なくなり、雨の朝の少し前辺りからもう一度読み返しました。何か読み飛ばしたりしてないかな、彼らのその後は載ってないかななんて淡い期待をこめて。
読後に「続きをください」となることってあると思います。今、心底そんな気持ちです。まだこの作品の世界に浸っていたいのです。行くことは難しいけど、かの陸別町に思いを馳せて、かのプラネタリウムに思いを馳せて、ひとまず今はキャラメルを買いに行きたいと思います。

振り返ってみて特に印象深いのはキャラメルや万年筆、キーストラップといった小道具たち。こういった「物」にそれぞれの気持ちを乗せてお話が綴られると、まるで見えているかのようにすごくありありと感情が伝わってきて本当に胸にささりました。
文章はもちろんですが、先生の作品にはこういうところに読者を惹きつける要素があるのだなと改めて感じました。
序盤からどこに着地するのか分からない緊張感にもだえ、これしかないよなぁと思える終わりに安堵。家族を巻き込む内容ゆえに完璧な幸せを描くのは難しいでしょう。彼らのその後が少しでも心安らぐ未来でありますように。

この作品が販売終了となった先、もしも新装版となり再販されたならきっと私はまた買うでしょう。このどうしようもなく求めてしまう気持ちを今は紙本購入という形で昇華しました。まだ見ぬ挿絵の2人を求めて。
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