ふみちゃんの楽園
」のレビュー

ふみちゃんの楽園

さとまるまみ

現実と地続きのファンタジーのような話

ネタバレ
2025年10月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 田舎の古い家で暮らす男女が、食べて、生活して、えっちする話。
物語の設定や本人たちの身の上は初めはほとんど語られません。ふみが以前小説を書いて、今はどうやらそれが上手くいっていないことが第3話でわかるくらい。それどころか男性の名前はしばらく出てこない。
それぞれの心情は文字では語られず、ほぼセリフと擬音のみ。でも表情や動きで性格も感情も手に取るようにわかる。語られないからこそ想像の余地があり、時にどういうことなんだろうと先が気になってしまう。
リアルだけれど温かい生活の中に生々しくて湿度の高い性描写があるので、人によっては不快感を覚えるかもしれない。私はそれこそがエッチでいいなと思いました。
なんというか、現実と地続きのファンタジー感があり、疲れた人は癒される気がします。
だいぶ後半になって、やっとふみの過去、男性の名前、2人の馴れ初めや関係性が描かれて、そういうことだったのか、と腑に落ちる感じです。
それでもまだまだ謎だらけで、私はオタクなのでそれぞれのプロフィールを知りたくて仕方ありません。
特に類さん、いい学校でてるけどやりたいこともなくて、人の繋がりの上を渡り歩いてふらふらと生きていて、なんとも得体が知れない。でもふとした時にふみを見つめる瞳に愛しさや優しさがあって、甘やかし上手でとても魅力的です。こんな愛し方されたい(あと家事やってもらいたい)という気持ちにさせられます。番外編とかで類さん視点の話も読みたい。
東京編の3話目が3日後に配信されるのですが、とても待ち遠しいです。こんな気持ちになった漫画は中学生の頃以来かも。
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