このレビューはネタバレを含みます▼
大型わんこ年下新人モデル攻め×美人トップモデル受け。あとがきで作者さまも仰っておられるのですが、攻めの救済ストーリーです。
最初は、攻めがラ…ホで寝過ごして大事な仕事に遅刻してその上やる気も責任も感じてないから反省もなくて、こ、こいつ〜〜〜!?と怒り心頭な私だったわけですが、攻めの事情を知るにつれどんどん攻めに対して庇護欲というか同情心というかがわいてきて、とにかく応援したくなってしまった。マモリタイ...
父親に殴られ、大好きだった母親に捨てられ、自分を肯定できないまま空虚な日々を送っていた攻めが、トップモデルの受けと過ごすことによってモデルのお仕事の奥深さや自分の甘さを客観視できる様になって、頑張りだすところがとっても良かった!
本来がすごく素直で頑張り屋な攻めなので、受けの懐に入ってからがもう一生懸命な大型わんこでかわいくてかわいくて……年下攻めの本領発揮よろしく敬語とタメ口がうまいこと混ざった話し方をするのがかなりツボでした。序盤のやさぐれ攻めどこ行った?かわいいね。
母親にすら捨てられたことがトラウマで「自分が愛されるわけがない」と常に根底にあるのが痛々しくて、受け、早く攻めを救ってくれ〜…!と祈りながら読みました。読み終わった後は多幸感でいっぱいになります。
あとは周りの人間も嫌な人が居ないので読みやすいです。
この作品、本編は全て攻め視点なので攻めの感情はすごく繊細に表現されているのですがその反面、受けがどのタイミングで攻めを意識しだしたか等受けの掘り下げがないのが勿体なかったな。書き下ろしが受け視点でラブラブなその後の二人のお話は大変ありがたかったのですが、受けから攻めへの感情の描写が本編に比べるとうっすら表面だけを掬った様な浅さだったのでちょっと物足りないかも。でもファンに匂わせしてマウント取る受けはかわいかった!笑
インソムニアって不眠症って意味なんですね。『楽園』というワードは本編にかなり絡んでくるのですが、意味が分かるとタイトルもぐっときます。
まとめ方が本当に素晴らしくて……夜がこわかった攻めが夜がくるのを心待ちにするのが……もう本当に……
挿絵何枚かあり。修正は白抜き(なんと修正が必要な挿絵があります!!!)。