筋金入りのお飾り王妃は離縁を申し出て、そして囚われる 純情執着な護衛騎士の新王は王妃を溺愛する
」のレビュー

筋金入りのお飾り王妃は離縁を申し出て、そして囚われる 純情執着な護衛騎士の新王は王妃を溺愛する

石里唯/イトコ

とても良いお話なのでぜひ読んで

ネタバレ
2025年10月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 本編といえる部分はページの半分未満です。
以降はヒロイン以外のキャラクター視点のお話が時系列バラバラに展開されます。
ヒロイン視点の後日談もあるので幸せな未来の姿も観られます。
こういった視点と時系列がバラバラのお話が複数あるのが苦手な人には向いていません。
同じ出来事を視点を代えて複数の話に分けて描かれていたりするため進んでいるのか?進んでいないのか?となります。
私は一つの出来事を複数視点で描かれている丁寧さが好きなタイプなので向いていました。
中にイラストなしです。表紙のイラストが美しいので、噛みしめて小説を読んでください笑
中にイラストあると良かったんだけど。
お話はあらすじ通りのスタートです。
お飾りの王妃が王と白い結婚をしており、周囲の一部の女性に侮られているところからスタート。
ヒロインはとても王族としては誇りを持ち聡明だけど、女性としてはおとなしく控えめで男女のそういった感情にはやや疎いです。
疎いというよりも王族の結婚というものをよく理解していて、そもそも恋愛とか自分とは無縁と思っているのかと思います。
個の自分を捨てても王族として振る舞う姿にマトモな人間は敬愛の想いを強めます。
素敵なヒロインです。
ヒーローはヒロインと出会って初めて人間的な感情を持つようになったような男です。
ヒロイン一途、ヒロインが初恋なんだろうというか、初恋と言うにはあまりにも重く深い想いです。
ヒロインは気づいてないけど。
ヒロインのために行動し、ヒロインのために生きるけど、たまに嫉妬心というか独占欲でちゃってヒロインを驚かす。
え、そこで嫉妬?心狭ってなるが、ヒロインが寛大な心で受け止めてる…

ちなみにメイン以外は全然カップル出てこない笑
みんなヒロイン大好き(恋愛というよりは敬愛)。自分の恋愛よりも主人に尽くすのに夢中なのでしょうか。兄も妹への愛が深い。

単純なザマァなどの逆転や、軽いノリの下世話なお話ではなく、本当に素敵なお話でした。
冒頭言ったように、複数視点で一つの出来事を語ったり、時系列がバラバラのお話が散らばっていたり、メイン以外のキャラクターの語りが多いお話が苦手な人には向いていません。
秋の夜長に聡明なヒロインが一つの国を立て直しに導く姿を、ヒロインとヒーローが愛を得てゆく姿を、ヒロインを敬う人々の視点から語られるお話を読みたい方にはオススメします。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!