アドルフに告ぐ 手塚治虫文庫全集
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アドルフに告ぐ 手塚治虫文庫全集

手塚治虫

リアルな戦争描写

ネタバレ
2025年11月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 再読。ラスト 2人のアドルフが殺し合う場面が辛くて 一度読んだきりで 何十年ぶりかに読みました。手塚治虫にとって 戦争はリアルな過去で有り その過去を美化する事無く描ききった作品。狂言回しである峠 三吉が 序盤で 女性(ランプ氏の娘)に対して暴力を振るい 女性は飛び降りまでしてしまうのに 峠は反省も後悔も無い所が気になりました。とは言え ヒットラーの出生を示す秘密文書 様々な人間模様 当時のドイツ 日本の様子と惹き込まれる要素が沢山有り 夢中で読みました。女性達が それぞれ悩みながらも 人を愛して生きようとする姿は美しいです。一方 子ども時代は友情を育んでいた2人のアドルフが憎み合い 他人を殺すようになっていく過程は胸が痛みました。私も戦争を知らない世代ですが 私より若い方々にも 戦争を体験した方々にも読んで欲しい名作です。(当時は当たり前だったのかもしれませんが 非力な女性に男性が暴力をふるう場面が たびたび有り 星を1つ減らしました)
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