お憑かれさま、黒瀬くん【単行本版】
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お憑かれさま、黒瀬くん【単行本版】

たこまっちょ

前世と過去と今が交錯する

ネタバレ
2025年11月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ BLの枠に留めておくのは勿体無いホラー、ファンタジー感も強めの本作、BL好き以外の方も手に取ってほしい!!
初手から凄まじい画力でホラー感を見せつけられ、これはBL?と思うくらいには幽霊がガチモンすぎるくらい怖いです。目玉リアルすぎぃ…。ちょこちょこ出てくる幽霊も皆成仏できていない未練たらたら幽霊でまー怖い。
怖さを中和してくれるイケメン叶糸。一途に結真を思ってくれて、というか結真しか見えてない笑
断片的にある過去や前世の描写に謎を仄めかしはあるものの内容は王道です。わかっているけど、切ない。
その後無事前世の二人も成仏して、多眼のアシスト(?)もあってえち突入〜!えちももちろんよかったのですが、私が最高に良いと思ったところがこの後の展開で、台詞はありませんが今まで見てきた成仏できない幽霊達を成仏していく描写が良いなぁと思いました。
最後、家に住み着いていた何も言わない幽霊。見た目は作中随一の怖さでありながら、結真に何も語りかけない。そんな幽霊に結真が語りかけるのですが、このシーン思わずうるっと涙腺が緩みました。
去り行く結真の背中を後ろから見ている様子の幽霊の姿が人に戻った瞬間ぶわっと鳥肌が立ちました。
全然気づかなかったと慌てて過去回想シーンを読み直してこの方か!と切なさが一気に押し寄せてきました。
あの日透真に手紙を渡せなかった事をずっと後悔してたんだと思うと切なすぎるし成仏してほしいと願わずにはいられない。
ただ最後の結真のありがとう、の一言で人の姿に戻れていたので成仏できたのかなと解釈しております。
ホラー感強めですがしっかりハッピーエンド、何なら作中出てくる幽霊達も成仏できて皆ハッピーエンドの大団円でした。
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