シーラカンス
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シーラカンス

霜月かよ子

少女漫画とミステリーの見事な融和

2015年6月14日
霜月かよ子先生って聞き覚えがあるなって思ったら、うちに「C-blossom」の単行本がありました(笑)個人的に大好きな少女漫画とミステリーの合わせ技が相変わらず上手いなあと思わされると同時に、世間一般の高校生の描き方がリアルでますます好きになりました。特に、本作と「C~」に共通する、家庭環境がよくない主人公のドライな性格(雰囲気に流されやすい周りの子たちとは違い、素直に喜怒哀楽を表に出すのが苦手なタイプ)には逆に好感が持てます。柳の影を帯びた雰囲気も、「C~」の如月行に似たミステリアスな印象を漂わせていて魅力的に見えます。また、表紙からも分かるとおり、ほの暗い世界観に似合う繊細な画風もまた魅力です。大人が読んでも楽しめるような少女漫画だと思います。キラキラな世界が苦手な男性にもお勧めできる1冊です。
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