このレビューはネタバレを含みます▼
真っ白の雪にどす黒い血が垂れて、綺麗な雪を溶かしてしまった。そんな印象。
それぞれが機能不全家族の中で育ち、不安定な環境の中、昔の幼なじみの2人がそれぞれの拠り所となった。が、ある事件が起きたのをきっかけに思ってたんと違う人生になる2人。死んでしまったマコ。助けようとしていたのに助けられなかったミヅキ。身が引き裂かれるような非道い事が起きても、どこまでも相手を想う2人の純心な気持ちが、より問題の陰鬱さを際立たせていたと思う。不完全で微弱で幼い一方で、お互いを助けようとする場面では恐ろしく怜悧で強くなる。その振り幅に心を揺さぶられた。そして最後はミヅキの描いたシナリオ通りに。自分が罪を被ることで、マコを死に追いやった相手を裁き、マコの尊厳を守った。現実にこんなことは起きてほしくない。性の搾取は精神をズタズタに殺す行為。殺人罪と同じ重刑にするべき。事件の背景や心理描写がリアルに描かれているので現実の社会問題にも対峙するきっかけをくれる。余韻が長い。