オルフェウスの窓【セミカラー分冊版】
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オルフェウスの窓【セミカラー分冊版】

池田理代子

まさに大河作品

ネタバレ
2026年3月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 池田理代子先生の作品の中で、一番大好きな作品です。
主人公は、男装の麗人のユリウス・ファン・アーレンスマイヤ、天才的なピアニストとなるイザーク・ヴァイスハイト、そして、ロシアの革命家でドイツに亡命しているクラウス・ゾンマーシュミッド(本名:アレクセイ・ミハイロフ)の3人です。
ドイツのミュンヘンから程近い街のレーゲンスブルクを舞台に物語が始まり、男装した美少女、ユリウスは、クラウスとイザークそれぞれと『オルフェウスの窓』で出会います。
『オルフェウスの窓』で出会った男女は、運命的な恋に落ちるが、神話のオルフェウスとエウリュディケの悲恋に倣って、必ず、悲恋となるという伝説がある場所です。

ユリウスとクラウスの恋、ユリウスの母、レナーテとユリウスの恩師であるヘルマンとの恋、ユリウスに想いを寄せるイザーク、イザークに嫉妬するモーリッツ、また、腹違いのユリウスの姉達など、様々な登場人物の心理描写や設定が丁寧で、単なる恋愛漫画の枠を超えた、壮大なサスペンスであり、ロシア革命・第一次世界大戦に翻弄されるユリウスとクラウスの宿命など、本当に大河小説並みの読み応えがあります。

ただ、ユリウスを妻に娶り、もうすぐ誕生する我が子に遭う事も叶わず、革命に散ったクラウスの運命も悲劇的ではありますが、彼は、幼き頃から兄に託された、ロシア革命を見届けるとまでは言わずとも、革命に人生を捧げ、唯一愛した女性、ユリウスを妻に娶り、子供まで授かったのに対し、記憶喪失になり、学生時代のクラウスとの記憶まで失い、遂にはクラウスとの愛の結晶である子供は、目の前で最愛の夫を銃殺されたショックで死産してしまい、最期は、クラウスと同じように河に落とされて亡くなってしまうユリウスは、あまりに救いが無さすぎると、どうしても思ってしまいます。
せめて、ユリウスとクラウスの子供は、無事に生まれてきて、二人の忘れ形見として、ユリウスの姉のマリア・バルバラとダーヴィド夫妻の養子として幸せに育つ。。。というエンディングもアリなのじゃないかな?って思ってしまいます。
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