高飛車皇女は黙ってない
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高飛車皇女は黙ってない

月煮ゆう/柊と灯/くろでこ

ただの勧善懲悪ものではない

ネタバレ
2026年4月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルや既視感ある筋書きからありふれた勧善懲悪もののように思われそうですが、この作品は断罪してすっきり解決!では終わらずどの立場の人間に対しても、もちろん主人公に対しても「自分の選択(振る舞い)が引き起こした結果や責任とどう向き合うか」という点が一貫して描かれているのがとても好みでした。
今や類似世界観の作品ではテンプレと化している突っ込んだら負けな展開やキャラ付けのモヤモヤから脱却し「立場や責務を忘れてこういうことをすると現実的には(トップがまともなら)そうなるよね」という納得感ある展開を楽しめます。
キャラも本当に魅力的で、立場や生い立ちの差により生まれた考え方の違い(わかり合えなさ)やそれをベースに積み重なっていく各キャラの心理描写が巧みだからこそ何故そういう状況になったのか説得力がありますし、皇女殿下の人となり故にやるせなさもあってそんな彼女が気にかけていた、もうこれ以上自分から何も奪わせないと新たな歩みを進めた人たちそれぞれの行く末にも思いを馳せてしまいます。
4巻で物語は一旦区切りとなり、これまで他国で人助けをしていた皇女殿下の母国や彼女自身の話に深く踏み込んでいくであろう新章へ。これからクローディアとベリルのただの主従ではない特別な関係性がどう着地するのか、とても気になります。
月煮先生らしい絵柄は好みが分かれるかもしれませんが、コミカルなシーンも多い作品なので作風に合っているなと思いました。
一応なのですが、3巻の終盤から未遂とはいえとあるキャラが密室で大勢の男に囲まれて…といったシーンがかなり生々しくじっくり描かれているので苦手な方は注意が必要かもしれません。彼らの所業(罪)を軽んじることになるからと敢えてこのシーンを余さず漫画にした月煮先生に敬意を表したいです。
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