悪の令嬢と十二の瞳 ~最強従者たちと伝説の悪女、人生二度目の華麗なる無双録~
佐和井ムギ/駄犬/saino
このレビューはネタバレを含みます▼
よくある悪役令嬢、処刑からの巻き戻り人生。嫉妬のあまり聖女を害したとの咎で服毒刑で死んだセリーナは聖女や死に追いやった者共への復讐を誓う。誓うんだが。自らの腹心を得る為に、孤児院から選抜した問題児達を暗殺者として育て上げる。最初は厳しい訓練に苦しんでいた孤児達は、勝手にセリーナの気持ちを「良い様に」慮り、立派な精鋭、腹心の部下、いやそれ以上にセリーナに心酔した狂信者となって行く。成長した孤児達を従えて、聖女爆誕のキッカケを潰してやろうと魔物退治を進んでやるセリーナ。攻撃魔法と力技のみでガンガン倒して行く。その事に感謝した民衆はセリーナを聖女だと祭り上げ、王家からも是非にと婚約の打診をされる。それは王子に顧みられる事の無かったセリーナが心の底から望んだ事だった筈なのに。彼女は悟ってしまったのだ。王家が前世で聖女を欲したのは、王家の力をただ盤石にしたい、要はただの権力欲だったのだと。セリーナは気付く。自分が欲しかったのはこんなモノだったのかと。(そこに愛はあるんかい?)攻撃力を持たない聖女は魔物と闘う事を怖がっていた、ただの女の子だったのだ。前世では聖女が権力欲の奴隷にされ、今世ではセリーナがそれになり代わっただけなのだ。なんて、虚しい。セリーナの選択は如何に?!というところまでが2巻。個性豊かな孤児達の生い立ちや、彼等のセリーナへの気持ちが簡潔に挿話されているのが良い。実に良い。そればかりがダラダラと続くのでは無く。良きところにサクッと差し込まれて来るのだ。そして兄弟同然に育った彼等の円陣を組む所が好きだ!「忠誠!忠誠!忠誠!」彼等に護られた強きセリーナが「生きる事の意味」「意義」を見つけるまで。楽しみに待ちたいと思います。まさか犬嫌い克服がラストじゃあ無いよね?
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