銀色の路―半田銀山異聞―
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銀色の路―半田銀山異聞―

安彦良和

敵の大将たる者は古今無隻の英雄で

ネタバレ
2026年6月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ これ抜刀隊という西南戦争から派生した軍歌の歌詞の一部分ですが、この漫画が描いている「明治初期の混沌」と同じ近い感情を表していると思うんです。
維新の方針に反する西郷隆盛ですが、安易な勝者による歴史ではなく、あんなに凄い偉人なのにどうして敵にいるんだ、という嘆き、惜別、そして鼓舞の混ざった歌詞は、何とも割り切れない軍歌らしくない「もののあわれ」感満載なんです。
そこで、和魂洋才、和洋折衷、いろいろ言われていますが、価値観が大いにぐらついている明治初期の渦中の人達は、どう感じていたのか?これを銀山の歴史を絡めて、わかりやすく描いているのがこの漫画です。
カッコいい五代友厚や壮大な半田銀山史も、この漫画の面白さの3割位です。残りの半分は明治維新後の空気感を楽しみ、最後の2割は安彦先生のご先祖様を愛でる(笑)漫画です。
最後に、北海道の人間は開拓民なので自分達のルーツをつい求めてしまいます(米国人みたいな感じで)。安彦先生もこの漫画を描きたいという衝動は、普通のことなのです。そしてその衝動で描かれた漫画は大抵傑作になりますし(金色チャンバラ西部劇とか、実像酪農家裏話とか)、この漫画もそうなると思います。
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