悪人の恋
」のレビュー

悪人の恋

荷鴣/鈴ノ助

何度でも読み返したい作品

ネタバレ
2026年6月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 定期的に読み返してます。漫画化もされてて、その続きを読みたくてさらにまた読み返してます。
決して明るい、気分が楽しくなるような作品ではないですがしっかり設定が練り込まれてて、読了後の満足感がすごいです。
ヒロイン(敵国の女王)・ヒーロー(亡国の王子)ともに死を覚悟してる物語で、ヒーローが亡国の復讐のために結果として死を厭わない覚悟はよくある設定だと思いますが、とにかくヒロインの設定がすごい。
なぜそんなに死を望む?とかなり序盤でヒーローの独白とともに読み手も疑問に思うのですが、ヒロインの過去回想ですぐに理由は察せられるんですけど、その後に追加、追加でだんだんと戦争?侵略?の内容が鮮明になっていき…。ヒロインの健気な頑張りに涙が自然と溢れます。ヒロインの過去の作り込みもそうですが、情報の開示の仕方が上手だなぁと思いながら読み進めていました。
ヒーローに関しても殺害対象であるヒロインを「必ず殺す」とヒロイン本人や部下に宣言してる手前、心身ともに惹かれていってるのになかなか認められない→でも抱くのをやめられない所はかなり見物です。とくに部下に告げたヒロインへの殺害とりやめの体裁が個人的にはすごく好きで「すっごい下手な言い訳の仕方だな」と思い読み進めていたら、後々部下にも同じことを言われてて思わず笑いました。原作では初めての交配の時点ですでにヒーローの決意がかなりぐらついてるように感じたのですが、漫画版ではその揺らぎが若干マイルドになってるように感じた(個人的感想です)ので、両方読んで2度楽しめるのがとても嬉しいです。
個人的には一番好きなキャラはヒーローの妹で、亡くなってるからこその味が出るキャラだとは理解しつつも、それでも2人が結ばれた後に傍にいてほしかったと思わずにはいられない人物です。ヒロインもヒーローもヒロインの側近も明るい性格ではないので、妹の天真爛漫な性格が物語の唯一の癒しでもあるし、この妹だからこそヒロインは【自死はしない】という約束を守り通そうとしたんだなと納得できる。ヒロインと妹がたくさんキスをするシーンがすっごく好きなので、漫画版でも見れるのを楽しみに待ってます。
またソーニャの特別読切に2人の会話で妹の話題が出るので、原作を読んだ人には是非そちらも見に行っていただきたいです。
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