双亡亭壊すべし
」のレビュー

双亡亭壊すべし

藤田和日郎

完結から5年 今更ですが完読

2026年8月3日
うしおととらをリアルタイムで読んでいた世代ですが、当時は藤田先生の作品を食い入るように読んでは、うしおの真っ直ぐさや鳴海のカッコ良さに胸が熱くなり、人間臭さや優しさにホロリと涙して楽しんでいました。

社会人となり、少し漫画から離れてからは、藤田先生の作品をいつかまとめて読もう、そのうち単行本を購入しようと思っていましたが、20巻を超える作品はやはり敷居が高く読む機会を失っていき、当時ほどの「熱」はなくなっていたと思います。

たまたま機会があり、少し時間を作ることができたので、当時の気持ちを思い出し全巻購入して読んでみました。

最初の10巻くらいまでは、正直イマイチ読んでいても気持ちが入ってきませんでした。当時うしおととらを読んでいた時は10代で感受性が豊かで物語も人物もなんの疑問もなく受け入れていましたが、今回は読んでいても面白い!と感じる前に、この人物を好意的に描きたいのかな?感傷的な場面にしたいのかな?と読んでしまい、引き込まれていかないと感じました。

ただ、そうした冷めた感覚は、15巻、20巻と巻数が進むにつれて佳境に入っていくと、人物や物語にどんどん引き込まれていき、最終巻を読み終わった時は当時感じたものと同じような感無量感で胸がいっぱいになっていました。

作品は読む年齢に賞味期限があると勝手に考えてしまっていた節があった私に、この作品は驚きと当時の高揚感を思い出させてくれました。

さすが藤田先生

私も手にするまで時間がとてもかかってしまいましたが、私と同じ様に当時うしおととらやからくりサーカスなどで胸を熱くしたり咽び泣いた人は、読んでみて欲しいです。歳を重ねたとしても、当時感じた様な感情をまた抱かさせて貰える作品だと思います。

おすすめです。
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