【単話】オトコ島~奴隷王子と囚われの身~
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【単話】オトコ島~奴隷王子と囚われの身~

村上みちこ

変な島での恋と脱出劇

ネタバレ
2015年8月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 続いていくお話かと思いきや、特に山場もなくあっさりと3巻で終わってしまいました。買いやすいのでそれはいいと思いますが、あらこれで終わりなのかーという拍子抜けな印象。凄まじい設定だっただけに、あっさり終われた事にも疑問の残る作品でした。
短いだけに薄っぺらいので、以下ネタバレ有で感想言わせていただきます。


お金に困った男を買い漁り、奴隷として島に閉じ込めることを平気で行っている頭のおかしい女が出てきます。この作者さんはイカれた女を作品に出す傾向がありますね。

この作品の主人公は島がどんな所か知らずに運悪く漂流してしまった普通の子。でも命を助けてくれた島の王子と名乗る男にお礼も言わず、タメ口で水をちょうだい!と命令し始めた出会いを見ただけで、礼儀のなってない頭の悪い女かな?とイラッとしたので、そんな女と恋愛できた王子のリクに疑問が沸きました。
王子は最初、水をやる代わりに裸になれなど言ってきてTLらしい、この作者らしい強引展開になるのですが、そういったSっ気を匂わせる描写は最初のみ。その後、島を支配する頭のおかしい女・千賀子からとにかく守ってくれる優しい男性です。なぜそうまでして守ってくれるのか謎でした。読者としては主人公に魅力を感じないので余計に。
主人公・沙織は元々恋愛願望があったので、自分を守ってくれたイケメンにあっさりと落ちてしまったのは納得がいきます。でもリクの場合は、千賀子以外の女と接触もさせてもらえない地獄のような日々の中で、千賀子以外の女と出会えて、脱出の活力を取り戻させてくれたから沙織を好きになったって感じです。何が言いたいかというと、千賀子の奴隷以外の選択肢を与えてくれたから、もう千賀子以外なら誰でもよかった的な精神状態の中で沙織を選んだっていう印象でした。それでも彼は優しいから、脱出後浮気などせず沙織だけを愛してくれる気がしますが。

しかし少なくとも王子をやっていた人が、島に大量の奴隷仲間を残して女一人と逃げる事に罪悪感はなかったのか?その後身分偽って暮らしてるけど千賀子は追いかけてこなかったのか?沙織は両親とかこれまでの生活捨てていいの?と疑問だらけでした。どうせなら、精神を狂わされてるリクが沙織を弄んだりとか、他の男たちの話とか、もっと設定を活かして長編を描いてほしかった。
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