願い叶えたまえ
」のレビュー

願い叶えたまえ

西田東

何度読んでも泣けます

ネタバレ
2015年9月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読んだ後もしばらく引きずってしまう位、
心に深く、重く残る作品でした。
精神的にせつなすぎて、
正直読み終わった後はどっと疲れます。
展開ですが、
なんとなく想像がつく気がするのに、
ちょっと私には意外な展開が多く、
読んでてどんどん引き込まれました。
出来れば1〜3巻迄一気読みするのをお勧めします。

以下、ネタバレ含むレビューです。
出来れば、ネタバレなしで読む事おすすめします。

私には、なんとも悲しい、複雑な気持ちが残るお話でした。
深見さんにのしかかるものが、あまりに重すぎて…
祐介は本当いい人だと思います。
社長に喰ってかかる所、
「沢山おいしいものを食べて、キレイなものを見て〜」って所、
読んでてこっちも「そうだ!そうだ!勝手に決めるな!」と号泣です。
何度読んでも泣けてしまいます。
きっと祐介が弾くピアノは、
そんなに上手くないかもしれないけど、
優しくて、心地良くて、
いつまでも聞いていたい音をしているのだと思います。
ただ、3巻は悲しかった…
2巻で「あなたは僕のピアノを聞いてくれるから」って言葉に深見さんは救われてたのに、
あぁなってしまうのが…
深見さんがどんどんと追い詰められて、
ピアノも聞かなくなり、
ピアノを壊す所は、読んでるこっちも読んでて辛かった。
深見さんの横で祐介が「幸せな人生を送る…」と心の中で言いながら泣いてしまう所、
もぅ辛すぎて辛すぎて…。
こっちももぅ…もぅ…

最後は、複雑でした。
あの最後は…うむ…正しかったと思う…。
彼を苦しめる事は思い出して欲しくない。
ただ、忘れるのと、思い出さないの違いが私には大きくて、
正直、心のどこかでこのままでいいのか、
それが正しい事なのかはすっきりしてません。
その苦味を残したまま、でも希望が残る最後、
その希望は一本の糸の様で、
切れそうな…でも祐介ならどんな細い糸でも切れさせないと思う。
これからどんな事が起きるか解らないけど、
この作品のタイトル、
「願い叶えたまえ」が心に残る作品でした。

関係ないですけど、
読み終わって、私が好きな「BANANA FISH」を思い出しました。
あの最後も正しかったのかどうか…
結論を出せないまま受け入れるしかない最後。
なんとも言えない気持ちが残りました。
もしこの作品か好きだったら、
「BANANA FISH」もオススメです。
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