窮鼠はチーズの夢を見る
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窮鼠はチーズの夢を見る

水城せとな

注意!BL初心者向けの話じゃないです。

2015年10月4日
失恋ショコラティエの作者さんなのですね〜。だから、レビューでも分かるように普段BLを読まない層の人達も読んでるのか…っ!いやいや、これはBLをいつも読んでる層にもキツイお話ですよー。痛い。むちゃくちゃ痛いです…胸が。
1巻はとてもドラマチックに話が終わるので、後味すっきりさせたい場合は1巻までで止めといた方が良いと思います。この2人の恋愛の最後がどうなるのか見届けたい方は2巻(タイトル 俎上の鯉は二度跳ねる)もどうぞ。ちゃんとハッピーエンドで終わりますが、最後の最後まで胸が痛いです。それから、2巻はリバ展開なので嫌な方はご注意ください。(私はリバ苦手なんですが、この2人の関係にはリバが必要だという話の流れ的に説得力があったのでOKでした)
絵は綺麗だし、ストーリー展開も面白いです。エッチシーンも色っぽくて好き。
ゲイとノンケの恋愛をきちんと描こうとされてる秀作だと思います。深い意味の台詞とかいっぱいあるし、可愛い萌えシーンもいっぱいあります。ただ難点は、ふたりとも女の子みたいにぐちぐち悩みすぎなんですよね。相手を試したりとか、くっついたり別れたり、精神的に安定しなさすぎなんですよ〜。主人公が「俺はゲイじゃない」って言いながら、ずっと同じことを悩んでるから、読みながらだんだんイライラしてきました。もっと突っ込んで親のこととか、会社での立場とか、自分がゲイになることでの社会的な悩みや葛藤が盛り込まれてたら、よりリアルで感情移入できたかなと思います。もうね、面倒くさい思考の男同士で、逆にお似合いだと思うんだけど、当事者同士は全く気付かないですれ違ってるっていうね…。これって見方を変えれば、ただ単に無意識にヤンデレプレイを楽しんでるだけの病みカップルなんじゃないの?と思ってしまった。
ラストも周りの女の子達をさんざん振り回しておいて、結局はお互いしかいらないのかよーっていう…おいおい最低だなあ。なんか全然褒めてませんが、 間違いなく心臓をグッと掴まれる凄い作品なので、最近刺激が足りてないなって方は、ぜひ御一読ください。
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