本当に終わりですか？

2巻の最後で「終わり」と描いてありましたが納得できません。理不尽に抱かれた相手と恋に落ち、彼が迎えにくるまで遊女を楽しむといった内容。なぜあんな男と相思相愛になれたのかも疑問ですが、それ以上に主人公がこの環境を楽しんでるのも疑問でした。そんなわけで、主人公に感情移入できず、微妙でした。2巻買いしなければよかった。
そもそも妹がなぜ娼婦のような仕事を始めたのか？騙されたのか？ってところから謎でしたが、妹のために主人公も娼婦となり、更には妹の代わりをつとめることで逃がすお話です。しかし、逃げ出した妹の末路なんて絶対に、追われて連れ戻されるか、心中するか……決して幸せになれるとは思えないのですが。皇帝がアッサリ逃がした商品を諦める自体ご都合主義な気がします。
主人公に惚れて会社も辞めると言い出した息子を好きにさせるとも思えないし、皇帝の真意が全く分からなかった。そして外で成功して迎えにくるだなんて夢物語が現実になるとも思えないし、あとはご想像にお任せしますって感じで物語を終わられても、私にはバッドエンドしか想像することができません。なので、ここまできたら迎えにくるところまで、せめて3巻まで描いてほしかったです。
花魁も何を考えていて主人公に加担してくれたのかも分からなかったし、この作品は真剣に読んでもモヤモヤしか残りません。伏線が回収できないくせに散りばめるだけ散りばめ、あとはご想像にお任せしますという形で逃げられた気分です。
バージンだった主人公が遊女としてすぐ馴染み、楽しんでいるなんてそういう才能があったというか、いかにもTLらしい設定。なのでエロ目当てなら良いと思います。絵も綺麗です。しかしエッチシーンが濃厚といった印象でもありませんでした。

遊女としての才能を発揮し上り詰めていく主人公に、花魁が焦りを感じたり引きずり下ろされる日がくるところまで見たかったですね。本当に、色々と設定が考えられそうな漫画なのに何一つ掘り下げてくれないまま終わったせいで、各キャラのことが一切分からなかったです。遊女モノならではのドロドロをやってほしかったです。
主人公に親切にしてくれ、借金まで背負ってくれたリュウの彼ともいい感じになるとか、そういうお話もほしかったです。結局彼はただのいい人だったのだろか…。物語が終わってしまっては、全て闇のなか、です。