寵愛の枷
」のレビュー

寵愛の枷

斉河燈/芦原モカ

この病み方は素晴らしい

ネタバレ
2015年12月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ エネヴィア共和国の本島より離れたユアーノという小島に住むビーズ細工師のヒロインは、まだ会ったこともない元首のもとへ嫁ぐことになった。
ダイヤモンドより高く取引されるユアーノのビーズとビーズ細工師は国に保護されていて、秘密裏に元首とビーズ細工師との結婚が行なわれている。
ヒーローは元首で、ヒロインは元首に嫁ぐものとして育ってきたのに、娶るつもりはないと言われて島に帰されそうになる。
斉河さんの作品が面白かったので、作家買いしました。
独特の設定で理解するのに少し時間がかかりましたが、面白かった~。
ビーズ細工師のヒロインは手は火傷だらけ、元首のヒーローは損なうことを恐れ、すげ替えなければ気が済まない潔癖症、更にヒロインの手を縛らないと落ち着かないというヤンデレでした。
頭のてっぺんから足の先まで美しいヒロインと、容姿、性格共に完璧なヒーローとの王道ストーリーではなくて、あれ?と思うような引っ掛かりを持った二人。
まさに歪んだ愛という感じで、ソーニャさんにぴったりの作品ですね~。
ヒロインの手を縛ると安心するっていうヒーローにきゅんきゅんきました。
また、損なわれていると受け止めるか、損なうことを重ねて完璧になると受け止めるかという対比が絶妙で良かったです。
これはシリーズ化されるのかな?
サイトの番外編クソワロタ。
すごく良かったので、お好きな方は是非読んでみて下さい。
イラストは繊細で素敵でした。
ヒーローが格好良くてうっとり。
ソーニャ文庫のテーマに沿った、けっこう黒い作品ですが、オススメです!
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