甘噛み王子と絵姿の美姫
」のレビュー

甘噛み王子と絵姿の美姫

北山すずな/氷堂れん

ワンコな王子

ネタバレ
2016年1月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ 動物学者を父に持つヒロインの住む村で、狼に育てられたらしい少年が保護された。
少年がヒーローで、野蛮で人間らしい生活が出来ないのだが、ヒロインに懐いた為、一緒に暮らすようになる。
しかしヒーローは、六年前に探しに来た人々と共に村を去っていった。
父親が調査の旅に出てしまい、一人になったヒロインは、居所の分からないヒーローが幸せに暮らしているかを確認する為、メイドをしながら探そうと城を訪れる。
城では絵に描かれた女性ばかりを眺めて仕事をしない駄目王子がいて、周囲の人を悩ませていた。
こちらの作品はラブコメで、愚鈍でワンコなヒーローと、美しいのに力持ちのヒロインという変わった組み合わせでした。
北山さん作品らしく、他の登場人物も個性的なのですが、今回はヒロインの父親にツボってしまって、犬が出てきた時、ハラハラしました~。
ヒーローがやる気がなくって子供っぽい可愛い感じなので、ドロドロはしていないのですが、王位継承をめぐる争いとか、宗教団体と政治権力の癒着も見え隠れしていて、スリルのある展開になっています。
ヒロインを口説く時や、ピンチの時のヒーローはものすごくカッコいいのですが、基本的にはヒロインの方がさばさばして男らしく、周囲の女性も頬を染めてしまうという設定も面白いですね~。
あと、ヒーローも良かったけど、宮宰の方が好みで幸せになって欲しい~と思いました。
気になったのは、王子が失踪してから王子の身代わりって誰だったのかなとか、どうなったのかなとか、その辺りのエピソードがないので、ちょっともやもやしています。
イラストの方は、氷堂れんさんで、ものすごくラブコメの雰囲気に合っていて、可愛らしくてとても良かったです。
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