つまさきに甘い罠
」のレビュー

つまさきに甘い罠

秀香穂里/北沢きょう

足フェチの変態王子

ネタバレ
2016年1月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 亡国の王女のヒロインは、代金の一部が戦争で苦しんだ民に寄付されると聞いて、奴隷として売られることを決める。
小国の国費にも等しい値段で買い取ったのは、敵国の王子であるヒーローだった。
面白い作品でした。
ヒーローが自分の母親に受けて来たギャクタイが元で、足フェチの変態なのですが、そこに至る理由がとても納得のいくものだったし、普段の穏やかで物分かりの良さそうな柔和なキャラクターというのも、母親の機嫌を損ねない様に自分を押し殺してきた結果かな~と感じられて、ソーニャ文庫のテーマである歪みや執着が無理なく練り込まれていてお話に入り込みやすかった。
また、ヒロインは両親に愛されて育った為、誰に対しても分け隔てなく愛情を振りまけるキャラクターという設定が、ヒーローの心の闇を際立たせて、ヒロインへ執着してしまう流れがとても自然でした。
ヒーローの変態プレイはうわぁ…と思いつつも、良かった~。
変態なんだけど、切ないくらいにヒロインを縛りつけたくて、ヒロインもそこまで必要とされていることが嬉しいし、受け止めてあげたいというお互いの気持ちにきゅんときますね~。
ただ、エンディングが綺麗にまとまり過ぎてしまって、拍子抜け。
ソーニャのサイトの番外編がすごく良くて、あれをエンディングに持ってきて欲しかった。
やっぱり性癖は変えられない…みたいな。
本編だけだと★4、番外編合わせて★5という心境です。
イラストはきっと綺麗だと思うし、ヒーローが素敵っぽいのに、小さくてよく分からない。
本当に残念。
どうにかして欲しい。
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