このレビューはネタバレを含みます▼
伯爵令嬢のヒロインの父親に全てを奪われ怨みを抱くヒーローが、素性を隠してヒロインに近付く感じの復讐モノ。
ソーニャ文庫に限ってはレーベル買いしているので、この作家さんもあとがきで弁明していますが、ソーニャっぽくない内容なので★3です。
ヒーローは面倒見のいいお兄さんで、ヒロインはツンデレなんだけど、二人ともドジっ子みたいな感じで微笑ましく、他の登場人物も和気藹々していたので、父親の罪をもっと軽くして、別レーベルでのラブコメだったら面白かったと思う。
イラストの方も可愛いので一層ラブコメ感が上がってます。
仮面をしたメルキオッドの事はすぐ分かるのにヒーローに気付かないヒロインも、騙したいんだか気付かれたいんだか、曖昧なヒーローにも、モヤモヤ。
また、他の方のレビューにもありますが、ヒロインの父親、ヒーローのお母さんと妹を強カンしてそれが原因で、二人はジサツ、お父さんもその後心身を病んで他界って、そこまでしておいてあっさりのハッピーエンドじゃ駄目でしょう。
知らないうちに詐欺や横領に加担してしまって、ヒーロー一家の崩壊のきっかけを作ってしまった…ぐらいだったら、まあ、こんなエンディングもいいかなぁと思うのですが。
自分と同じくらいの女の子の幸せを壊しちゃったんだから、ヒロインだけでも許さず、父親とは二度と会わずにヒーローと駆け落ちぐらいして欲しかったな~。
あと、自分が壊れてしまうくらいの愛妻家だった父親があっさり愛人とかなんかもう矛盾。
こっちもソーニャフィルターかかって読んでるから、愛人とヒーローが結託してヒロインの家を陥れるのかと思ってヒヤヒヤしてたのに、純愛とかw、愛人ってそもそもお話に必要だったの?
ヒーローも結局愛の巣でイチャコラしている間に友達が全部解決しちゃって、復讐にしても救出にしても中途半端な感じ。
扱っているテーマは重いのに、軽い調子でお話が進むのがちぐはぐな感じで、物足りないっていう印象です。
あとがきにいろいろ書いてあるから番外編が後日談かな?と思ったらそうでもなく、小説にしたものを読みたかったんだよなぁ~と思います。