このレビューはネタバレを含みます▼
侯爵のヒーローと元男爵令嬢のヒロイン。
二人は幼い頃に出会い、お互い初恋の相手なのですが、ヒーローはヒロインの正体に気付かず、ある事情からヒロインの家族に対して恨みを抱いています。
ヒーローに攫われ愛人にされたヒロインは、どんなに酷い仕打ちを受けても、恋に堕ちた日のことを忘れられず、密かにヒーローを想い続けてしまいます。
ネットでもレビューでも好評な様子だったので購入してみましたが、良く練られた上質な作品でした!
過去の出来事には真実が隠されていたり、周囲の人々の思惑があったりで、二人はすれ違い続けてしまい、ヒーローが恨みを持った事情が二人の障害になって、どうやって結ばれるのか、最後の方までハラハラする展開でした。
ヒロインの健気さには何度も泣かされました~。
ヒーロー、ヒロインを取り巻く他の登場人物達もしっかり描かれて、お話の深みが増しています。
タイトルも意味が分かると胸に響きますね。
真実を知ったヒロインがヒーローに想いをぶつける場面と、修道院の院長の「苦労はしたのにいいことは知らなすぎる」とヒロインに言う場面では号泣でした。
台詞にしても心情描写にしても丁寧だし、美しかった~。
ソーニャのサイトの番外編に、お父さんはこうだったんじゃないかなぁというヒーローの想いがちょこっとだけ描かれていて、許される事ではないけれど、納得出来た部分はありました。
すごく良い作品だけど、イラストのヒロインの服が華美な感じがしたのと、二人の年齢が若過ぎるというのと、修道院で盛ったところは残念。