このレビューはネタバレを含みます▼
人間と獣人の二つの種族が君臨している世界。
根本的に生態や考え方が違う為、長らく対立してきたが、互いの王族が婚姻を結んで和平の象徴とすることになった。
冷静さを重んじ「冬の姫」と呼ばれる人間の第一王女がヒロイン。
獣人の王がヒーロー。
ヒロインには婚約者がいる為、「春の姫」と呼ばれる妹が嫁ぐことになったのだが、婚約者と密かに想い合っているので、自分が代わりに嫁ぐ事にする。
今まで読んだ山野辺りりさんの作品のヒロインは、優等生でプライドの高いイメージがあった為、ちょっと苦手意識を持っていたのですが、今回のヒロインはそんな面が活かされていてすごく良かったです。
誤解が重なって冷酷無比な姫君と噂されるヒロインですが、本当は思いやりのある優しい性格。
基本的にコメディなのですが、必死で感情をコントロールしようとする姿に何度かうるっときました。
ヒーローは、獣型にも人型にも自由に姿を変えられ普段は人型で過ごしているので、地雷な方でも安心して読めるかと思います。
獣人との愛情表現の仕方や習慣の違いから、二人はすれ違ってしまうのですが、何か切ないっていうより可愛らしくて笑えた。
ヒーロー、どんどんデレッデレになって行くのには萌える~。
人間と獣人の対立、ヒーローの抱える闇などシリアスな問題も起こりますが、合間に挟まれるモフモフのお陰で、気負わず読める作品になっています。
毛玉な子供たちと戯れる場面では、何度か妄想の世界に入り込んでしまい、読むのを中断していました。
面白いお話でしたが、欲を言えば、肉球のプニプニ感とか、いろんな種類の獣人のモフモフ感とかをたっぷり味わいたかったな~と思います。
また、私的にはあとがき[2]の耳と尻尾はあって欲しい派なので、その辺りも物足りなくありました。
獣型のヒーローとヒロインのモフりながらのイチャコラシーンも読みたかった~と思ったら、ソーニャのサイトの番外編でありました~。
ヒーローに「全くモフモフしておりませんわ」とヒロインがおねだりするんですが羨まし過ぎた。
イラストは可愛いです~。