このレビューはネタバレを含みます▼
深い。深過ぎる!
事件の後、傷を抱えた人々はどう生きていったのか。
最も罪深き彼については事細かに描かれていない分、色んな読み方が出来ると思います。
最も愛した弟の、散々な目に会いながらも乗り越え一人前になった弟の「一緒に生きよう」の一言で救われたと思いました。
「全てを受け入れる」に等しい一言が、あの日受け入れてもらえなかったことが全ての発端になってしまった彼を癒やしたんだと。
その夜、罪に気付いてから初めて夢も見ないで眠れたんだろうなと思うと泣ける。
そしてその眠りは、翌朝から再び贖罪の旅をゆく彼への天からの餞。
彼の祈りがいつか通じることを願ってやみません。