新月の契り
」のレビュー

新月の契り

鳴海澪/shimura

感動した

ネタバレ
2016年6月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 隣国の王の裏切りにより、国を滅ぼされてしまった王女がヒロイン。
王の母違いの弟がヒーロー。
ヒロインは国と共に自分も死ぬ事を望んでいたが、ヒーローは命を助ける為に王の前でヒロインをリョウ辱、愛妾にした。
鳴海さんの作品はシリアスで、心理描写が丁寧なので大好きです。
ヒーローは、「死ぬより生きるほうが難しい」といって、ヒロインの意識が死へ向かわないように、ヒーローを憎ませ復讐させようとします。
少しずつヒーローへの憎しみが薄れてきたヒロインは、ヒーローに対して好意を持ちますが、とにかくヒーローは母親の遺言を忠実に守って、生き続ける為に兄王の機嫌を損ねないよう、出しゃばらない様にしているんですね。
それが歯痒くて、イライラしました。
でも、だからこそ、胸を打つ場面が多く、ソーニャっぽい後味が悪い様なドロドロした歪みはなくて、感動しました。
すごくいいお話で、私は良かったです。
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