残酷な誘惑
」のレビュー

残酷な誘惑

高木裕里/リー・ウィルキンソン

何度読み返してもラスト16頁は胸が裂けそう

2016年6月11日
取り返しのつかないことをしてしまった過去の贖罪に出向いた、ただ会いたい気持ちもあった、正体は隠せてなかった、でも、彼の幸せを心から願った・・・
自分に振り向いてほしい、他の女の人じゃなく自分に。このヒロインの、子供じみているけれどもそれでも人を好きになればわかるはずの感情、この気持ちが理解できないとロマンスは読み解けないことと思う。自分以外では嫌なのだ。

若さゆえの大胆な行動が事故の誘因、その後何年も苦しんだことは、彼の苦しみと孤独感の時期と重なる。事故が奪ったものは大きかったが、当初から惹かれあう男女であったのだ。不幸を乗り越えて、追いかけて人目も憚らず吐露。確執は流れ去っていました。好きだったんだもんね、それぞれの自分の行動が引き起こした痛みの時間が幸せの結末を得る為の代償となったんだよね、と、運命の仕打ちを巡る結末にホッとします。。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!