できのいいキス悪いキス
」のレビュー

できのいいキス悪いキス

鹿乃しうこ

キャラに癖があるけど、意外な展開が面白い

2016年6月14日
1巻280、2巻235ページ。全て表題作。
古い作品の文庫本でお得なページ数です。
(発行年は文庫化なので、実際に制作されたのはさらに前)

古いと言っても同じく文庫化の仏頂BABYよりは絵もほとんど今に近くて読みやすく、キャラの見目も格段に良くなってます。
ストーリーも展開もかなりヘビーで濃厚。読み応えもあって面白かったです。

時代背景のせいなのか? キャラの何人かが自分主義で相手の立場への配慮が少ないというか、遠慮無さ過ぎなところは、好きじゃなかった。
息子とか、隣人とか。息子はモロに母そっくりで、この母の女王っぷりがそもそも元凶かな、と。
後半、意外な展開が続き、息子が可哀想で切なくなるけど、好き嫌いで相手の態度が違い過ぎだし、自業自得にも思えてしまった。
主人公の相手の魅力が弱いけど、自分主義の身近な人間に振り回された主人公としては、ああいう普通の弱さ?と思いやり?のあるキャラに惹かれるのは、わかる気がした(笑)
一番共感出来て切なく、好感持てたのはツンツン頭の友人くん。
読者人気高かったそうですが、納得です。
彼の思考回路が一番まとも!あの母の弟とは思えない(笑)

展開が一筋縄じゃいかない、驚きの人間模様が面白い後半でしたが、それぞれ幸せの兆しあるラストで読後感良かったです。
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