OZ 完全収録版
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OZ 完全収録版

樹なつみ

★10!読者選ばないプロの名作。半BL?

2016年6月28日
約1冊200ページ弱ずつ。
書籍未収録の番外編が3つもあるようなので、本で持っててもファンの人には電子で買う意味ある。

素晴らしい!の一言。。
読後、強い余韻に酔いしれてます。。しばらく他のことができなかった。
ジャンルを超えたテーマ。
年齢性別問わず、広い読者層に読んで欲しい作品。

90年に描かれたもののようなので、既に25年近く前の作品。
後書きにもあるよう911前だけど、世界観に色褪せを全く感じません。

当時で近未来設定の、核世界戦争後の荒廃した地球が舞台。
人類のエゴ、地球問題、最新科学等を背景にしながら、感情を学習するアンドロイドと人間の関わり、そこで芽生えるいろんな形の愛情、欲のドラマが読み応えだと思います。

全5巻。
この壮大なストーリーからしたら、長くないです。
濃厚、無駄がない展開。
よくこれだけタイトにまとめ上げられたな、と作者さんの職人ワザに感嘆です。。
内容的には倍のページ数位の読み応えがありました。

19、24。
感情含め、より人に近づくことを欲する人工の彼らが、愛しくて哀しいです。
少女漫画だから表向きヒロインは天才学者少女だけど、実は19でしょう。
2人共ピュアで健気ですが、フィリシアより19(男形)の方に感情移入する。

それにしても、ムトー。
女、男、上司、部下、&読者(笑)、、天然の人タラシですね。
彼の人生経験からくるであろう実年齢以上の懐の深さ、包容力、忍耐力、そしてこんな乱世でこの心の健やかさ、、
イヤ〜惚れますよ!誰だって!

最近BL読むからか、この作品がBLのボーダーに見えてしまう。
19が24のように女形だったらこういう面白さはなかったし、違うストーリーになってたでしょう。
彼の切なさが心に痛い。

ついでに言うならこの作品だけじゃない。
最近気づいたけど、少女漫画で不朽の名作と思う作品、実は半BLが少なくない。
日出処の天子、バナナフィッシュ、、女の子は脇役(以下)。

作者さんは、学生の頃に朱鷺色〜パッションでハマりました。
ほとんど処分した蔵書漫画で、これは今だ持ってる。
OZは最初から豪華版のみだったから、当時の自分には手が出しにくくて最後まで読んだ覚えがなかった。
今回電子で読めて良かった〜!

新しい作品より、この頃の方が画も崩れてなくて、キャラも中身が魅力的で好きです。
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