秘密のサンタクロース
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秘密のサンタクロース

デイ・ラクレア/秋元奈美

素敵なサンタはお願い事のキューピッド

2016年6月29日
いいことをしてるのに信用しにくい人物として描かれるサンタさん。ヒロインに近づいたサンタは読者には策謀家を思わせて登場です。サンタさんへ惹かれていくヒロインに対し読み手の側としては、なんだか警戒信号を伝えたくなる気持ちを抱かせられてしまいます。

でも、本当に信用できない人物だったのでしょうか。
そこがこのストーリーの要でした。
ヒロインの隠された姿をなぜ彼が突き止めるに至ったか、辿り着くまで彼を動かしていたのは、仕事の背後にあるドラマでした。

行動を共にして育つ愛。彼が依頼人に頼まれる依頼内容が聖なる季節に合うもの。終始愛を振り撒いての自然なハッピーエンドです。

続編との位置付けの作品「キャンドルを消す前に」との間にキャラにもう少し類似点が欲しいと思いました。人間関係に相互の連続性を利用する割には、別人格過ぎな設定です。見た目くらいはある程度作家の個性尊重で脇役の場合構いません。コミカライズ時点では両者事前に話合われる機会がなかったとすれば、独立に見れば気にならないので、制作が先行していたのならこちらの作品世界に責任はないのかもしれませんがー
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