267夜~2人だけの最後の道行き~
」のレビュー

267夜~2人だけの最後の道行き~

いもあん

真理

ネタバレ
2016年6月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 印象に深く残る作品。
それは世の真理(?)と言われてる概念を扱ってるからだと思います。

「人間の魂は、全てひとつの意思(存在)から生まれている。(そしてまたそこに帰る)」という概念をこの作品では「柱」で表していますが、同じような概念は「鋼の錬金術師」や「マギ」でも描かれていて人気作となっています。

この作品では最初に長いトンネルを地中深く潜っていきますが、村上春樹さんは作品の書く方法を「多くの人が開けることができない(気づいていない)意識の地下2階の扉を開けて奥深くまで沈み、人類すべての意識の源までたどり着き、その中で物語の登場人物が勝手に動くことをそのまま書き起しているだけ」というようなことをインタビューで答えています。

ラストは悲しいように見えますが、2人とも"奥深くにある魂の故郷"に帰れて、なんともいえない幸せというか安堵に心満たされるんですね。
真理に触れると、人は意識するしないに関わらず、感動し共鳴してしまうんだと思います。
1巻50ページ、2巻51ページ、3巻52ページ。
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