本心を知ることの難しさ





2016年7月5日
本当に求めているものは他人からはわからない。
形ばかりの物事に対する当事者の思い入れは、蓋をしてその思い入れの度合いを見破られないように隠してしまう。無駄に期待せぬよう予め打ち消ししておき、傷つかぬようブレーキを踏んで悲しい勇み足を防ぐ予防線を張るいじましさ。。。そこに気持ちを注ぎ入れているのは自分だけなのだと、相手は違うのだからと、一方通行であるとして片付けてしまう。
それにしても、「17歳の花嫁」ととても共通項が多く読み比べが楽しいかもしれない。
女として可憐で魅力がある主人公、セクシーで強引なところと紳士でけじめのあるところとを併せ持つ男パオロ。麻生先生の絵柄は華があり、繊細でおしゃれ。キャラのまわりの空気が光の粒子をまとっているような味わいある描線がストーリーの大きな舞台美術となっている。この絵の無比の存在感がドラマ性を高め、男女の危うさと別れられないロマンチックさの相乗効果によって、読者を雰囲気ある世界に漂わせてくれる。
厚みのある二人の唇に、心に秘めた互いの情熱が写しだされている。
イタリアの親戚は少々バタ臭さが足りず、また、そこで日々を送ったのにヒロインが居たという印象が薄い絵になっている点だけ気になった。
パオロの本心を最後に纏めて説明口調となったところが詰め込みの印象。原作の制約なのだろうが、この開示方法はドラマとしては酔いづらく、演出して欲しかった。読者の一人としてはもっとここは盛り上がって、ヒロインと同じつもりで、そうだったのか、くらいに彼の心の内に飛び込みたいクライマックスを望んでしまう。
形ばかりの物事に対する当事者の思い入れは、蓋をしてその思い入れの度合いを見破られないように隠してしまう。無駄に期待せぬよう予め打ち消ししておき、傷つかぬようブレーキを踏んで悲しい勇み足を防ぐ予防線を張るいじましさ。。。そこに気持ちを注ぎ入れているのは自分だけなのだと、相手は違うのだからと、一方通行であるとして片付けてしまう。
それにしても、「17歳の花嫁」ととても共通項が多く読み比べが楽しいかもしれない。
女として可憐で魅力がある主人公、セクシーで強引なところと紳士でけじめのあるところとを併せ持つ男パオロ。麻生先生の絵柄は華があり、繊細でおしゃれ。キャラのまわりの空気が光の粒子をまとっているような味わいある描線がストーリーの大きな舞台美術となっている。この絵の無比の存在感がドラマ性を高め、男女の危うさと別れられないロマンチックさの相乗効果によって、読者を雰囲気ある世界に漂わせてくれる。
厚みのある二人の唇に、心に秘めた互いの情熱が写しだされている。
イタリアの親戚は少々バタ臭さが足りず、また、そこで日々を送ったのにヒロインが居たという印象が薄い絵になっている点だけ気になった。
パオロの本心を最後に纏めて説明口調となったところが詰め込みの印象。原作の制約なのだろうが、この開示方法はドラマとしては酔いづらく、演出して欲しかった。読者の一人としてはもっとここは盛り上がって、ヒロインと同じつもりで、そうだったのか、くらいに彼の心の内に飛び込みたいクライマックスを望んでしまう。

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romance2 さん
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