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六花チヨ

色は二色ではない

ネタバレ
2016年7月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 男は黒、女は赤。ランドセルの色で区切られた時代を生きてきました。自分がインターセクシャルと関わることがあって、男や女という区切りではなく、自分らしく生きたいと言われたとき、その言葉の重みを感じました。エピソード3星野春のお話は彼が生まれたときから高校を卒業し、社会にでるまでの長いお話です。その間にいろんな偏見に晒されます。しかし、春を支える両親や、友人、そして恋人、同じインターセクシャルの人たちそれぞれが悩み苦しみ、春とともに成長します。特に春とその恋人のお話はかなり見ていて切ないです。春の、自分と女の部分の葛藤は胸に迫りました。生まれたその時に社会的な性を決められ、そして成長したあともまたホルモン補充療法で性の選択をする。性器の外見で、一般的には性別が決まりますが、そうではなく胎児の性の分化がうまくいかなかったことで子供が背負うものって、こんなに重くていいのだろうかと考えさせられました。
ようやく性同一性障害に理解を示し始めた日本の社会に、あと一歩門戸と理解を求めたいです。是非お手にとって考えてみて下さい。インターセクシャルは2000人にひとりという確率で生まれているのですから。
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