鴆-ジェン-
」のレビュー

鴆-ジェン-

文善やよひ

美しく哀しい。色鮮やかな映画のよう。

2016年8月6日
216ページ、ほぼ表題作+ショート1話。

星5以上!
とても、とても、良かったです。
昔の中国を舞台に極彩色のジェン、白黒漫画だけど色鮮やかさな映画みているようなお話でした。

毒で美しくなるジェン。
その特異な性質ゆえの、哀しさと切なさ。
読みすすめるほどに共感して、彼の幸せを願わないではいられない!
ストーリー重視にはオススメな1冊。
絡みや色っぽい場面もあります。

時折ある、ジェンの素直に甘えた表情が可愛い。
フェイのジェン(達)に対する深い想いに、ジーンときます。
後半のジェンも別な意味で美しいです。

あとがきにあるオマケのその後の場面の挿絵。
どや顔でお行儀の良いジェンくんが、可愛くてたまらない(笑)

せっかくの美しいジェンの体の構造がどうなっているのか?羽はどこまでついてるのか?
線が多くて判り難くもったいなかったですが、お話は楽しく読めました。


短編はお花と虫の短い話。
毒ではないけど魅力ゆえの危険な誘い。
本編とテーマが近いファンタジーで、良い1冊にまとまってました。
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