親に愛されずに大人になっても人を愛せてる

型破り感のあるストーリーです。育った環境の不幸さや離婚の不幸を物語の中でかなり濃く出しているけれど、今の日々への焦点の当て方で深刻さよりも未来思考があります。

HQ読者だけのものにしておくのは勿体ない気がしたくらい、MITの首席卒業を、日本の難関大学で置き換えて行ける話です。パーティーも上流とか家柄とかとは無関係な規模、経営者とはいっても技術者としてのリアリティで資本家風なし。ヒロインの家族も本人も、言葉や考え方がかなりシニカルなのも存在感放ってます。HQ特有のセレブ？環境は、唯一、彼の住まいですね。

ちょっと考えると怖い気もします。ヒロインの初婚時点で将来の再婚相手と出会っているほどに、遠からず繋がりが続いていたのに、顔に出さないで(出せないタイプということですが)何とか途切れさせたくなくて画策、ヒロインはそこにものの見事はまったのですから。理系で免罪、でしょうか・・・。
でも、ヒロイン側は彼がまさか自分をそんなつもりで思ってくれていないと思っていて、相手の目の優しさにただ純粋にひかれていたのですから、結果よければ、ですね。

ベッドシーン比率が高い分ちょっと格調を保てなかった気がします。無駄に裸のシーンがあるというかー。
話の性質上多いのが避けられないならば、もっと美しい場面の方が歓迎です。HQには生々しくないよう一線画していて欲しいんですよね。
ごめんなさい、そこがなんか惜しいと思い、最初五つで登録後、後になり迷いながらも星の数を調節させていただきました。