キモチの行方
」のレビュー

キモチの行方

明治カナ子

BLとは違う幸せ?依存執着の愛情。

2016年8月18日
167ページ、目次タイトルで短編集?かと思いましたが、1冊表題作でした。

2000年の古い作品。
これはこれで良かったですが、BL視点で言うなら幸せが足りないです。
扱いのひどいのが苦手な方はやめたほうが良いです。
とはいっても、ただ酷いだけじゃない。

SMに限らず、恋愛も需要と供給で一方的な想いと願望では成り立たないですが、このお話にも互いに求めるものがあるな~と感じたので、嫌な感じはしませんでした。

BLという言葉が一般的じゃなかった頃、SMアンソロジーに読みきり連載されていたものだそう。
だから、BLとはちょっと違うのかも。

互いに依存があるけど、確かな気持ちの結びつきが少ない。
読みきり連作?だから、ひとつのお話としての盛り上がりに欠ける。
友人の存在や主人公の過去が気になるけど、浅い。
その辺の話がもっとあったら盛り上がって面白かったのに、残念。

雑誌掲載の条件的に、そういうストーリーとしてまとめるのは難しかったのかもしれませんね。
あとがきで、ラストは描き下ろしにしてエンドにできたとありました。
ページの都合上、麗奴12月のお話は収録されていないそう、残念。


1/2もでしたが、作者さんはこういう作品も描かれてたんですね。
病んでるキャラが上手な方ですが、原型を見た気がします。
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