求む、妻 Ⅲ 結婚という名のビジネス
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求む、妻 Ⅲ 結婚という名のビジネス

ミランダ・リー/佐柄きょうこ

シリーズの2と同レベか、別の味わいがある

2016年8月21日
偽装結婚はひとつのジャンルだけれど、この作品は、二人の言葉のやり取りのなかに彼らの気付きがあって、セリフ劇のように言葉の中にある其々の考えや過去のトラウマを砕いていく場面が高い比重を持っている。

そのため、絵柄の好みを軽く乗り越えて、両者の発する言葉そのものに注意力が引き付けられ、しかも、過剰な説明口調を回避した印象。

マイクの生育環境等にはHQあるあるの要素でユニークなところはこの話のなかに無く、意外性すら薄いのにも拘らず、最後まで感情の言葉力と沢山の台詞で、二人が未来に乗り出す希望を感じさせるのだから、強いメッセージを持った作品だ。しかも、説教臭いという意味ではない。

ただ、二人が愛抜き結婚前後に好意を自覚し始める描写にもう少しコマが欲しかったとは思う。
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