龍の花わずらい
」のレビュー

龍の花わずらい

草川為

面白かった!

ネタバレ
2016年9月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様のファンで、作者様買いです。
2人のイケメン許嫁という、おいしい設定にどっちも選べない…!と思わず悩まされました。どちらも異なる魅力で捨てがたいですが、わたしはクワン派。
お話もただの恋愛ものではなくて、勢いよく進み、コメディ要素も満足。
結末も納得できるもので、そして、よくある報われなかった方に新しい想い人だとか国を去るだとかいうことがなく、今後もヒロインの傍を守り続けていく感じがとても良かったです。
が、腕だけは元に戻して欲しかった…!
ただでさえ左目というハンデキャップもあり、剣士なのだから利き腕は必要ですし。
そこまで背負わせんでも良くないか、と思ってしまいました。
今後守り続けて行くのなら尚のこと、いつか宝珠で戻して欲しいものです。宝珠の力をそこで使わず、なんのための効能(?)か…!と思います。

そして、もう少しはっきり、クワンの気持ちがシャクヤにあり、アマランスが全てにおいてシャクヤに負けてしまったことを描いて欲しかったなぁ。アマランスには情、シャクヤには愛があったと間接的にはわかりますが、あのキスシーンが本当にいらなかったなと思います。なぜ必要…?あれが心身ともに別れの挨拶のためと、うしろめたさからということはわかるけど、それがキスである必要がわからない。
あれでは、これまでのシャクヤへのものとの違いが描けておらず、最後がアマランスとなると彼女の方に想いがあるようになってしまう。アマランスへのシーンがあるなら、シャクヤにもこれまでしないで欲しかったなぁ。
そうしたら逆に特別すぎて手が出せないという意図にもなるのに…。
なので、クワン派のわたしとしては、愛していたのはシャクヤだということをもう少し分かりやすく欲しかったので、あれは頂けないところでした。

苦しさを共に乗り越えたアマランスが大切なことはわかりますが、あれではどちらにもよろしくない。気持ちがどこにあるのかを、濁して描きすぎているのが残念です。
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