嘘みたいなプロポーズ
」のレビュー

嘘みたいなプロポーズ

夏海鈴/アンナ・デパロー

子供を産みたいがためのー

2016年9月15日
気骨のあるタイプで、しかも堅実にも見える彼。
しかし、ギャンブラーを自称、業種から言えば仕方ないが。。。

ヒロインが結婚したい相手が別に現れなかったら、一体いつ進展していたんだか。
このきっかけなくしては二人のストーリーは始まらなかった。


そういうきっかけを出発点としながら、その相手の不実なところを突き止めヒロインに伝える彼とヒロインのやりとりは、伝える時点と欲しかった子供の望みが絶たれたショックとのズレがあり、読んでいるこちらには、ヒロインの感傷にうまくピントを取りにくいところ。

父親として自薦してきた彼も、そこではただの咄嗟の埋め合わせ的な役割を出すのみ。
後の彼の告白が、そのタイミングではできなかったわけが、もう少し明確な、言い訳に受け取られないくらいの力を持っていて欲しい。
読者にも説明がなくていいのか?


強引なシーンが幾つかある割に気持ちを伝えるより、行動のみ突出で口下手なのかと思いきやそういうシーンはない。

細身な体格に描かれているが、88頁、ホントに腕が細くて少年ぽく、顔も童顔系だから、会社経営層らしいビジネスシーンでもう少し格を滲ませてほしかった。
107頁の、「胸のすく」の表現もストーリーの流れの中での違和感がある。ほかにも、言葉選択にしっくり来ないところがあった。

台詞のコマが背景無地でいくつも続くが、背景のなかに室内があまり出てこない。彼の住まい紹介も、その傾向のせいか案内されているヒロインに読み手として気持ちが沿いづらい。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!