初恋物語
」のレビュー

初恋物語

橋本多佳子/アネット・ブロードリック

最初に好きになって最も好きであり続けた人

2016年9月20日
初恋の人とは結婚できないと、まるで諺かジンクスかのように、世の中で、初恋の人と結婚はなかなかできないものですが、ハーレクインは初恋の大願成就大産地。
初婚の相手がうんぬん~のところは吃驚でしたけど。
この作品はホントに、これ以上は無理か、というほど、超特大大ホームラン。苦しいところを我慢して我慢して九回まで堪らえて、最後は満塁逆転のスッカーンという快音のストーリー。

でも、クライマックスは暗雲の立ち込め具合が急すぎて辛すぎて読むのやめようかと思ったほど。
エンディング直前までそれは読者を翻弄してくれましたが、最後の場面で幸せを惜しげもなく見せつけてくれて、しかも、こちら読者にだけじゃない、世の中の皆さんに振り撒いてくれて、爽やかに読み終えることができました。

明るい太陽と青空が似合う楽しげな屋外の活動の描写も楽しさが画面に溢れて、笑顔で仲よし家族みたいな様子の3人の光景に、失っていた時間を急いで取り戻すみたいで、収まるべきところはそこだ、との感じがよくでてます。

ドロッとしてないですが、やっぱり好きだという気持ち、今でもときめきいてしまう心、過去のつらかった年月、そんな感情もよく読み取れて、一冊を堪能できました。
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