十二カ月の恋人
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十二カ月の恋人

ケイト・ウォーカー/アリスン

初めは都合のいい女で良かったということ?

2016年10月29日
限られた時間、関係の終わりを想像するカウントダウンのとき。いずれかの通告なき限り自動延長とす、みたいな決めごとなら少しは気分が軽かったのだろうか。
泣いてすがってなんて、そんなこと出来ないから、そっと家を出る。弟クンと親しくしてきたこと、兄弟仲の修復に助力してきてよかった。

HQには余り性的描写を出して欲しくない。この作品はかなりはいっている。それだけ求めていたのだとの強調にはなるが、愛情を示す場面が日常のささやかなやりとりになく、まして、二人しての外出がままならないとなれば、これは期間限定の割りきりもお互い呑みやすかった条件だろう。

終盤のふたりの関係の修復があっさりで拍子抜け。
兄弟間の微妙な対立もなんとなく終わってしまった。いいところで記憶欠落が入るが、別れを切り出された直後なだけにさすがに辛そうでかわいそうだとおもった。相手の気持ちを思い知らされての付き添いはたまらない。
その付き添いは彼に一体何をもたらしたのか、よくわからなかった。
カラーページに先生のタッチが見事に表現されていて、マットな彩色が素晴らしい。
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